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感想・備忘録・夏休みの自由研究

2月の履修作品

2023/02の履修作品メモ。

 

ゲーム『春ゆきてレトロチカ』

www.jp.square-enix.com

実写映像で語られるミステリーアドベンチャー。「不老の実の研究」という秘密を抱える一族の邸宅で起こる殺人事件。古い小説に綴られた、過去に起こったその一族に纏わる様々な事件。主人公である推理作家が、その2つを綜合し、ひとつの結末を導く。「不老」という要素により100年前や50年前の事件と現代の事件が繋がっていく。
私はふだん推理小説を推理しながら読んだりしないので、少し手こずったが、ヒントなどもあるので最後まで読むことができた。実写の映像表現でより効果が出そうな叙述トリックがあることは予測ができたので、終章はかなりスムーズに攻略できた。
ある探偵の登場シーンでやたら良い声が聞こえると思ったら、梶裕貴(実写)が登場して笑った。誤った選択肢を選んだときのムービー(役者さんの演技)もユニークで面白い。
「自分を殺した人間のために歌うレクイエム。そこにあるのは魂を鎮めたいという思いなんかじゃない。ただただ自分が歌いたいという欲望だけだ。」というセリフが好きだった。

 

ゲーム『ファイアーエムブレム エンゲージ』

www.nintendo.co.jp

シミュレーションRPG。前作『ファイアーエムブレム 風化雪月』が楽しかったので、プレイしてみた(ハード・カジュアル)。100時間くらいかけてクリアした。シミュレーション面でのバランスが非常によく、面白い(三竦みに基づく「ブレイク」、兵種の「戦闘スタイル」、紋章士の指輪によるスキル習得など)。戦闘システム面では風化雪月よりも面白い。風化雪月での「天刻」要素(巻き戻し機能)もあるので、気軽にやれる。また、キャラクターのモーションやグラフィック、デザインもかなり良い(私の好みドンピシャの男はいなかったが……)。
反面、ユーザーインターフェースやテキスト、ストーリーの展開にはやりづらさ・納得のしづらさがあるように思う。物語が単調なのは意図してのものらしいしそれはいいのだけれど、違和感を抱く場面は結構多い。
ストーリーにたびたび見られた関係として、「親子関係」がある。リュールとルミエル、各国の王とその子供、邪竜とその子、セピアとグリ、モーヴとマロン。実の親子であっても敵対するかもしれないし、実の親子でなくとも愛は築ける……というような感じのお話だと思った。個々のキャラクター(の関係)で見るととても魅力的であるために、マクロに見ると戦記物として物足りなかったり、整合性があまりないように感じるのが、勿体なく感じた。
あと、11章の撤退戦の演出はすごく良かった。
FEの次回作にはかなり期待している。できれば風化雪月のような濃密さがありながら、今作のような戦闘の緻密さも兼ね備えていればいいな。

 

ゲーム『FGO第2部第7章 黄金樹海紀行ナウイ・ミクトラン』

待った甲斐があった。

  • ORT戦が楽しかった(星5鯖を使わずに終わって不完全燃焼だったけど……)。主人公の形相がすごいことになっていて思わずスクショを撮った。
  • 『第1部第7章 絶対魔獣戦線バビロニア』のセルフオマージュが多く見られた。現地での生活描写、ケツァルコアトルジャガーへの言及、言葉の通じない敵(ラフムとオセロトル)、現世と地続きの冥界、終盤に視点が逆転し強大な存在をどうにか押さえつける展開など。
  • 物語なき世界に、物語が生まれる話。誰もが平等であるが故に、特別なものがなく、物語もない。物語により、ただそこにあるものが特別なものになる。誰かにとって誰もが平等ではなく、誰かにとって誰かが特別であり、物語を紡ぐ、それが人類(ひと)なのだ。

マリーン「『結果が同じだからやらない』とか、そんな悲しいコト言わないで〜〜!」
テペウ「悲しい? なぜ悲しいのです? 間違いを犯さないのはいいコトでは?」
マリーン「そうだけどちがうんだよ〜〜! だってぜんぜん楽しくないぃぃぃ〜〜! 練習の時みたいに、儀式でもテペウの笑う顔が見たかったんだよ〜〜! 結果だけでいいとかズルだよ〜! 過程も楽しい方がいいに決まってるじゃん!」

  • このやり取りにLB7の話が集約されていると思う。
    「結果が同じなら過程はどうでもいい」だとか「あらゆる命は等しく平等(だから特別なものはない)」だとか、そういったものは客観的な(科学的な)見方である。科学は具体的な誰かの行いを抽象的な「法則」に帰する。「法則がこうなっているので、誰がやっても関係なく、こういうことが起こる⋯」というふうに。結果の重視、没人称化。もちろんそういう思考も人間の特徴である。古代ギリシャ風に言うなら「ロゴス」、論証する言葉。
    しかしそれは、物語というものの根本にあるものに対して真逆の考えである。物語とはある視点からある現象を特別に取り立てて、その過程を描くものである。古代ギリシャ風に言うなら「ミュトス」、物語る言葉。私たちにおいては、ロゴスだけではなく、ミュトスも重要である。
  • 終盤の「時間の乗り手が霊長だというのではなく、霊長の乗り手が時間である」というコンセプトは、ドーキンス利己的な遺伝子』の「生物は遺伝子の乗り物」という比喩を彷彿とさせる。
  • デイビットの真意や目的がわかり、思ったより善性の人だと判明した。今までの物語を読み返してデイビットのセリフを見直すとエモくなれそう。テスカトリポカとの関係が好き。ハリウッド並みのドライブテクニックいいよね。
  • はやくカマソッソ実装して。

 

アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』10話~13話

ようやく見た。放映当時のツイッターのトレンドに話題が上がっていて13話の展開は何となく知っていたのだけれど、それで私はてっきりミオリネを解放するためにミオリネの父を殺すみたいな展開になると思っていたので、じっさいに13話を見た時のショックはあまりなかった。「血染めのユフィ」もトレンドに入っていたようだけれど、全然性質が違うような。
シャディクくんの暗黒面がもっと見たいです。続きに期待。