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感想・備忘録・夏休みの自由研究

ゲーム『薄桜鬼 真改 風華伝』土方歳三ルート 感想

※ 『薄桜鬼 真改 風華伝』のネタバレを含みます。

※ 夢要素を含みます。

 

 

ゲーム『薄桜鬼 真改 風華伝 for Nintento Switch』を今更ながらにプレイしたので、感想を記しておこうと思う。

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0.前置き(経緯)

私は無印であるPS2版『薄桜鬼 ~新選組奇譚~』を約13年前にプレイして以来、キャラクター土方歳三に惚れ込んでいる。いわゆる夢というやつ。

そんな私がなぜ今更のプレイになったのかといえば、それは色々と理由があると思う。

まず、真改の対応ハードであるPlayStation Vitaを所持していなかったということが挙げられる。steamでプレイするという手もあったが、それもできず。今回のプレイはSwitch版である。

だがSwitch版『風華伝』の発売は2018年。にも拘らず今の今までプレイしていなかったのは、いろいろと忙しく『薄桜鬼』のお話を受け止める余裕がなかったというところ。『風華伝』のFD(月影ノ抄)は一応買ったのだが、やはり余裕はなく。無印をプレイしようとも何度もしたのだが、途中で後の展開を想起してしんどくなり、ゲームを中断してしまう、ということが多かった。恐らく、『薄桜鬼』のお話や土方さんは自分の中で半ば信仰の対象と化していて、「もしかしたら自分が抱いている偶像と一致していないのではないか」という恐れが私の中にはあったというところもあったのだと思う。要するに、《公式が解釈違い》となるのを恐れていたわけだ(特にゲーム本編で)。

しかし、2021年12月から2022年2月にかけて発売された新作OVAを視聴して、「10年経っても新しいアニメを制作してくれるなんて、なんて有り難いんだろう」と感謝した。そして3月19日に行われた「薄桜鬼~春の夢~2022」に参加して、ふんぎりがついた。「原作を読んで破壊されてしまう程度の偶像ではないはず」と。そこで、今回プレイしたというわけだ。

前置きが長くなった。『風華伝』土方ルートの感想を記していこうと思う。もはや土方さん以外のルートでどのような話の流れだったかは忘却の彼方である(プレイしたかどうかすら曖昧なレベル)ので、そこはご勘弁いただきたい。

 

1.「土方歳三」について

無印プレイチャレンジのたびにこの場面を見るため、目に焼き付いている。薄桜鬼と言えばこの場面と言っても過言ではない(過言)。子供の頃、私はこの場面で彼に一目惚れした可能性が高い。何度見てもかっこいい。好きだ。

CVを務める三木眞一郎さんには、頭が上がらない。土方さんがきっかけで三木さんのことも好きになり、今や三木さんがCVであるというだけでそのキャラを好きになってしまうくらいである。

美しい。忙しいからといって髪を結わいていない土方さん。可愛い。

 

土方歳三という人間は端的に言って、「仲間の遺志をひとりで背負い込んでしまう男」である。新選組の多くの仲間を残し、その意志を継いで北へ北へと戦場を移していく姿は、なんとも痛ましい。「そんな荷物は下ろしてしまえばいいじゃないか」と言われても、彼はそうしない。その荷物はすでに彼自身の血肉となり、彼自身を構成する部分になっているからだ。皆、彼の中で息づいている。これは愛だ。私はそんな彼を愛している。非常に愛おしい。

 

 

華ノ章第4章終盤の展開はやはり辛い。仙台城での出来事もそうだけれど、特に、土方さんに置いていかれてしまう場面は本当に辛い。ここが辛すぎて、ここを想起してしまってプレイが憚られていたものだから、この場面はやはり涙が溢れた。

 

ラストの風間との一騎打ちはやはり良い(桜の中に唐突に登場する風間はちょっと面白いけど)。「薄桜鬼」のタイトル回収もあるし。

土方さんには桜が似合う。美しいままで散りゆくその姿は、まるで衰えを嫌っているかのよう。

 

2.「夢」と「偽物、まがい物」

シナリオ中、たびたび「夢」という言葉が象徴的に使用される。「夢」という概念は通常「現実」「実際」の対義概念である。「現実」は「本物」で、「夢」は「偽物」という対応になっている。

『薄桜鬼』のお話は「武士のまがい物とされた新選組が、誠の武士になる話」である(少なくとも土方ルートでは)。また、羅刹は「鬼のまがい物」(同時に「人間のまがい物」)ではあるが、最終的に彼は「本物の鬼」と認められる。

これらを敷衍して、「人間は皆最初は何者でもなく、何かのまがい物だが、生きていくにつれ誠の存在となる」ということだと思っている。

 

3.無印からの変更点について

無印からBGMが変わっているようなのは若干寂しかったが、真改のBGMも悪くないので良しとした。

芹沢さんや龍之介に触れられるなど、『黎明録』のキャラへの補完が良い感じだった。『黎明録』もだいぶうろ覚えだし、『真改 黎明録』をやらなきゃなあ。

新キャラたちは結構気になった。攻略はしてみたい。ただ、他のキャラクターを攻略するとなると、浮気をしているみたいで気が気でなくなってしまうのが辛いところだ(土方さんのこと好きすぎ)。

攻略対象である坂本龍馬が出会う前にナレーション死したのはかなりびっくりした。選択肢次第で出会えすらしないとは。また、CV子安武人武田観柳斎は気になったのだが、攻略対象ではないらしい。残念。

 

4.総括

10年以上前にたまたまプレイしたゲームのキャラクターに惚れて、そのまま惚れ続けて、そのコンテンツがここまで長く続いてくれていることには感謝しかない。『薄桜鬼』、ありがとう。

変な言い方になるが、私が10年以上好きだった男は、私が偶像として抱いてきた通りの男のままだった。私の妄想は爆発しすぎてはいなかった。好きだ。傍らでいつまでも支えたい。春になるたび一緒に花見をしたい。そう思える。10年以上ずっと好きだったし、きっと一生好きだと思う。

そんな土方さんに後ろ髪をひかれながらも、今後は『風華伝』の他の攻略もゆっくり進めたい。まずは伊庭くんを攻めようかなと思っている。『天雲ノ抄』の発売も控えているが、仕事が多忙ということもあり、これからもゆっくりと『薄桜鬼』と付き合っていきたい。

 

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