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感想・備忘録・夏休みの自由研究

5月の作品メモ

2024/05の作品メモ。

 

ゲーム『Fate/Grand Order』期間限定イベント「魔法使いの夜アフターナイト 隈乃温泉殺人事件」

まほよコラボ。お話が面白かった。歴代コラボイベントでは一番面白かったかもしれない。少なくともCCCコラボくらいは面白かった。『魔法使いの夜』原作も読みたくなった(まだやれてないけど、セールだったし買っちゃった)。
草十郎の設定(あらゆる動作を無意識を挟まずに行っている)が初めて開示されたらしい。重要な設定すぎる。きのこ、早く原作の続きを出してあげて……。
また、

隈乃院ヨシスケ「大衆は"一生残る"ものなんて求めていないんだ。その場その場で盛り上がれればそれでいい。人生を変えるほどの名作? 生きる希望を与えてくれる偶像? ええ、確かに出てくるでしょう。ですが、そんなものは半年も持ちません。感動ってのは大衆の肥料なんですよ、探偵さん。それを食って育った次の『誰か』が新しい娯楽を生む。次から次、次から次、だ。星の数ほど期待の新人は生まれてくる。軽くて速くて数が多い。アタシたちはそういう世界を作っちまった。だいたい、一つの感動を一生覚え続けるなんてそれこそ文化の停滞だ。人の見たがる感動(かがやき)なんて、それこそ星の数ほどあるんですからねぇ。常に新しいものに上書きされていくのが娯楽ってモンの本質ですよ。」

このドライな娯楽論(消費社会に対する見方)が、ヨシスケ(木乃美芳助)が芸能生活の経験で得たものだろうし、ラストの「自分以外の誰一人顧みなかったアイドル」の話に繋がってきて、良かった。
ラスボス、有珠のプロイキッシャーでもある「オンリーワン/ナンバーワン・シャイニースター」もクソ仕様で良かった。「世界で他には誰も持たない願いだけを叶える装置」という願望器(=聖杯)だけれど、そんなものは存在しないから、失敗作。しかしワンワンさまと合体したことで稼働、アンリマユ入りの冬木聖杯並みの悪辣さを発揮し、「叶える願い以外の願いを世界から消去することでそれを唯一の願いにする」という手段をとって結果人類を滅亡に追い込む機構と成り果てた。他の願いを熱量・エネルギーに変換しているから、実質ゲーティアみたいなことやってる。
バッドエンドみたいなものもあって楽しかった。有珠みたいな、童話モチーフの魔法とかも好きだから、原作を読みたいな~~。

 

アニメ動画『The Amazing Digital Circus』ep.2「Candy Carrier Chaos!」


www.youtube.com

NPCの自我~。って感じだった。続き楽しみ。

 

漫画『マッシュル-MASHLE-』

アニメ版に三木眞一郎が出演していることに気づいたのと、『Bling-Bang-Bang-Born』がめちゃくちゃ流行っていたという理由で、アニメが見たくなった。そのためにまず漫画を読んだ。
友情・努力・勝利という感じで、話自体は王道。ひねりとしては、魔法を一切使えない主人公が、魔法使いをパワーで捻じ伏せていくというところ。あと、いわゆる「テンプレ」「お約束」のような展開に対して少し冷めた現代的な(?)リアクションをする(このとき、デフォルメされた作画になる)のが特徴。お決まりの展開に冷めた態度を示しながらも、そのうえでやっぱりお決まりの展開を踏襲していくというかんじ。
前半は結構面白く読めてたけど、後半は同じことの繰り返しだなあという気分で少し退屈だったかも。
あと、イノセント・ゼロ(ラスボス)に関してはけっこう疑問が多い。アニメ版ではこのキャラの声を三木さんが担当しているから、気になる。「どうしてウォールバーグと袂を分かったんだろう、過去に何があったんだろう?(イノセント・ゼロの過去回想は主人公のグーパンで阻止された)」「最初に出てきたときにやってた人の魔法をコピーするやつ後半で使わなかった気がするけどなんでだろう?」「マッシュという名前はお爺ちゃんが付けたはずで、イノセント・ゼロの元にいた頃の名前もあるはずだろうに、どうしてマッシュって呼ぶんだろう?」とか。まあ、いいんだけど。

 

アニメ『マッシュル-MASHLE-』

https://mashle.pw/

基本的には漫画と同じだけど、作画は漫画より上手い。OPの楽曲と映像の音ハメ(?)が好き。
三木さん命なので、イノセント・ゼロが出てくると楽しい。

 

ゲーム『崩壊:スターレイル』Ver.2.2「涙は目覚めの後で」

  • ピノコニー編クライマックス。「時計屋」のくだり、ロビンとサンデーのくだり、ブートヒルたちとの共闘……。かなり面白かった。
  • 「調和」vs「秩序」。「調和」は「強きが弱きを助ける」が、「秩序」は「強きが弱きを支配する」。弱肉強食が原理のこの世界では、弱者は救おうとしても救えない。弱者を強者にしたところで、また別の弱者が生まれるだけである。そもそも何をすることがその人にとっての本当の「救い」なのだろう……? だから、等しく支配するしかない。「秩序」はそういう思想。
    それに対するひとつの回答は、「一方的に弱者扱いするのはやめてよね」。そうなんだよなあ。弱者を救おうとするヤツって、その人を弱者だと決めつけてるんだよなあ……。

  • 「満足」固定で変更できないクロックトリック、怖かった。

  • 「虚無」の運命に対する、黄泉の見解、いい……。無意味への抵抗。
  • 次のバージョンではホタルが実装されるから、石を貯めないと……(刃ちゃんのための符玄ガチャで石なくなったけど……)。ドライバー刃ちゃん、萌え。シナリオ中で喋ってくれて嬉しかった(回想だけど)。

 

漫画『惑星のさみだれ

「惑星」と書いて「ほし」と読む。
地球破壊を阻止する物語なんだけど、地球破壊を阻止するヒロインの動機もまた「自分たちが地球を破壊するため」。
同じ作者の後年の作『スピリットサークル』のほうが好みだった。ちょっとあまり自分の中で消化しきれておらず、それができたらまた違うかも。
大人と子どもという対比が頻出する。様々な「大人」と「大人になれない人」(=子ども)が登場する。でも「大人」だって、大して大人じゃなかったりするんだよ、とか。子どもから学ぶところがある、みたいな。ヒロインの地球破壊の動機も、「大人になれない絶望」に由来しているところがある。たぶん、そういう話。またじっくり考えたい。

 

実写映画『陰陽師0』

https://wwws.warnerbros.co.jp/onmyoji0/

  • 徹頭徹尾、魔法のような力は実在はせず、あるとしてもそう思い込んでしまう(思い込まされてしまう)者の心の中にある、みたいなスタンスの話だった。
  • 「真実」が「主観」に対応していて、「事実」が「客観」に対応しているのは珍しかったかもしれない(「真実はいつもひとつ!」の影響かも……)。
  • たとえ離れていても、繋がれる象徴があれば孤独ではない。
  • 主人公の晴明と相棒ポジの博将の関係良かった……。
    晴明は非常に科学的な見方をしていて「事実を見るんだ」というスタンス。物語の途中、相方の博将は「笛を奏でれば全部がどうでもよくなる」と言う。「全部がどうでもよくなる」ということこそ、「客観」であり、科学に必要な態度。「客観」とは何か一つに執着するのではなく、全ての物事から等しく離れること。だから晴明は博将をそこでより気に入ったんだと思う。
    また、終盤で晴明が博将に「お前はいい男だな」と明示的に言う。事件の主犯や学生(学生は生活もあるからしょうがないけど)のように、足るを知らずに他人から足るを奪う人々と違い、博将は楽を奏でるだけで足るを知る。だから晴明は博将が好きなんですね(早口)。
  • 山﨑賢人、線が細すぎてびっくりした。最近の印象だと実写金カムでめっちゃガタイのいい軍人を演じていたから、ギャップが。役作りすごい。
  • 最初、少しだけ平安言葉の発音が聞こえてきて興奮した。(北村一輝が読んでたらしい。すごい。)

 

漫画『ポケットモンスターSPECIAL』1~9巻(カントー編)

断片的に読んだことはあった。通しで読みたいという欲求は前々からあった、やっと実行し始めた。
いわゆる、レッド編とイエロー編にあたる。ゲームからの改変設定が面白い。ジムリーダーがどういう存在なのかよくわからないけど……。
ミュウツーがスプーンで物理的に殴ってくるの草。
あと、少し古めの漫画なので、言葉遣いが興味深い。「言わんこっちゃない」が「言わないことではない」だって、意識してなかった(画像は5巻103p)。

©日下秀憲/真斗/山本サトシ/小学館

 

アニメ映画『名探偵コナン 天国へのカウントダウン

コナン君といるときの、歩美ちゃんの心臓の鼓動が1拍で1秒ちょうど、ということで記憶していた作品。伏線がさりげなくて良い。
ジンの車、バレてるの草。

 

アニメ『妄想代理人

ようやく全部見た。
ミームの一人歩き。パラノイア。少年バットやマロミこそ、人々の妄想を代理で実現してくれる、「妄想代理人」。少年バットは破壊的な妄想を実現し、マロミは癒しを求める人々の受け皿・捌け口になる。
今監督らしく、現実と虚構の話。そもそも現実と妄想に区別があるという前提がおかしくて、私達は「私達に現にいま現れているものはいったい何なのだろう?」ということを一生考え続けて生きて、死んでいく……と言わんばかり。良い。
馬庭(CV:関俊彦)が本当に良いキャラ。現実と妄想の区別がつかなくなった世界に最も適応していたのは彼。最も正しい者は、他人からしてみれば最も狂っているように見える。そして最後には、次回予告の爺の立ち位置(メタ視点)へ。示唆的で皮肉だなぁ、と。

 

アニメ映画『天気の子』

https://tenkinoko.com/

新海誠監督作品。アマプラで見た。
お話はボーイ・ミーツ・ガール。「世界は滅んでもいい(滅びまではしないけど)から、俺は君にいてほしい!」みたいな、ある種、共犯関係。コンセプトは好き寄り。物語の仕方がちょっと好みじゃないかも。
映像がすごかった。あの映像技術で、『秒速』みたいな話やってほしいけど、もう無理なんだろうな……。

 

アニメ映画『ほしのこえ

https://www.cwfilms.jp/koe/

新海誠監督作品。宇宙開発が発達した時代、光速ワープ技術があって、時間と空間によって引き裂かれる恋人たちの話。主人公の男の子を鈴木千尋が演じていて、これ以上ない配役だと思った。やっぱこういう役は鈴木千尋がぴったり。

 

漫画『黄泉のツガイ』1~7巻

現在刊行されている分を読んだ。極めて刺さる、というキャラはいまはいないけど、続きが楽しみだし、アニメになってほしいな~~。
普通の人間には不可視の、2つで1組の超常現象「ツガイ」っていう設定が面白い。「陰/陽」「左/右」「上顎/下顎」「風神/雷神」などなど。こういうの大好き。「このツガイは何モチーフなんだろ~」「このモチーフだからこういう能力なのか~」っていう。人間がそれらと契約して、それぞれの特殊能力を駆使して陣営同士で戦っている。

 

ゲーム『学園アイドルマスター

https://gakuen.idolmaster-official.jp/

ふつう私は女の子ばっかりだと食指が動かないんだけど、黄色の子(藤田ことね)が刺さったので、始めた。
アイドルの素質はあるけれど、家族を養うためにバイトで稼がないといけず、ゆえに体がボロボロで、今までは本来の力を発揮できていなかった。だから自分の才能に気づいておらず、顔には自信があるものの、アイドルになる自信がなかった。こういう、「自信があるように見せかけて、実は根っこのところで自信がない」みたいな構造のキャラクター好きなのかもしれない(顔が好きなことが大前提なんだけども)。
ソロ曲「世界一可愛い私」は、あんスタの姫宮桃李の「Little Little Prince Star」とコンセプトが似ている(「世界一可愛い僕/私から目を離さないで」)し、こういうのに弱いのかも。

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