2022/11の履修作品メモ。
- アニメ『プリンセスチュチュ』
- 特撮『仮面ライダー BLACK SUN』
- ゲーム『薄桜鬼 真改 風華伝』藤堂平助ルート 風の章
- アニメ『シャドーハウス 2nd Season』
- 漫画『ファイアパンチ』
- ゲーム『ポケットモンスター スカーレット』
- アニメ『チェンソーマン』5話~8話
アニメ『プリンセスチュチュ』
女児向けアニメに見せかけて、メタメタな「物語に言及する物語」。作中世界には、「作中世界の人物」、「女の子(作中世界の人物)に変身しているただのアヒル」(主人公)、「物語世界から出てきた王子」、「物語の作者」が並存しており、メタ構造が混沌としている。この「物語の作者」というのも、実は「物語を現実に変える力を持つ人物が、死に際に綴った自分自身」である。いつかちゃんと整理したい。
全26話であり、前半13話は「卵の章」、後半13話は「雛の章」と銘打たれており、前半と後半で全く作品の趣が異なる。「卵の章」はいわば王子をヒロインとして救う話だが、「雛の章」でその構造は徐々に破壊され、あらゆる登場人物の物語的な役割が変動する。
白鳥の湖やくるみ割り人形など、有名なバレエ楽曲が用いられており、たぶん物語的な踏襲もされている(私は全く嗜んでいないので分からないけど…)。
『少女革命ウテナ』をだいぶ踏襲しているようにも感じられる作品。「卵」「雛」というモチーフには、「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれず死んでいく。我らが雛で、卵は世界だ。世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでいく。世界の殻を破壊せよ。」というフレーズを思い出さざるをえない。
大鴉の呪いで凍りついた人々の心を融かすのは「希望」。現状を変えたいという願い。世界の殻を破る力。物語を終わらせる力。
特撮『仮面ライダー BLACK SUN』
アマゾンプライムで配信されている。『仮面ライダーアマゾンズ』に続く、昭和ライダーの翻案作品。
魂の継承、意志の継承の話。こう言うと味方サイドの話(良いこと)に見えるが、敵サイドは意志の継承がきちんと為されていないが故に負けてしまったと言わんばかりで、最終的には敵サイドも意志の継承が為され、「戦いは続く」みたいになる。意志の継承は必ずしも良いことではなく、それを受け継ぐ者は、それまでの自分を捨て去りその意志に染まるのか、それを完全に受け入れないことで本来の意志からズレていくかのどちらかになる。
キャッチフレーズ「悪とは、何だ。悪とは、誰だ。」から分かる通り、正義というよりも、悪についての話。ヒーローの悪性。ヒーローの本質は「おせっかい」であり、通常の手続きを度外視した正義を行使するという点で、悪である。そもそも仮面ライダーは、自分の悪を理解しているから、無口で言い訳はしないし、仮面に喋るための口はない。仮面をかぶることは、善悪を併せ吞むことの宣言と化す。また、最後、敵サイドの「非暴力では何も変えられなかった。何故ならばこの世に悪が存在しているからです」と味方サイドの「これからどうする?」「悪いやつが生まれる限り戦うよ」というセリフが象徴的だった。世の中は善も悪も混沌と存在していて大概ダメダメだけど、瞬間的には輝く物がある。日食が重要なものだという設定もそういうことだと思う。
被差別民である「怪人」が人間程度に、下手すれば人間以上に脆くて弱いのが悲しすぎる。
あと、それはそれとして、途中で濱田岳が演じるクジラ怪人が謎神殿でクジラ汁をかけてブラックサン(主人公)を蘇生しようとしているくだり、説明がなさすぎて笑ってしまった。
ゲーム『薄桜鬼 真改 風華伝』藤堂平助ルート 風の章
やっている最中にポケモン新作が発売されてしまい、華まで終わらせられなかった。ごめんね平助……。
いつも気遣ってくれる優しい子。平助に関しては、千鶴と並べて可愛いカップル可愛いなという感じで、私はあまり没入的な見方をしていない気がする。
話の筋としては、「価値観とその変容」の話が主立っている。父親しか悲しんでくれないだろうと思っている千鶴と、父親だけは悲しんでくれないだろうと思っている平助。悲しまないんだったら、仕送りなんてしないんだよなあ。
あとは華クリア後に……。
アニメ『シャドーハウス 2nd Season』
OPの曲好き。ミステリー的な話の構成に加えて、登場人物の関係を楽しむアニメ。作画もいい。登場人物に関しては、シャドーとその生き人形との関係だけでなく、シャドー同士・生き人形同士、シャドーと別の生き人形との関係、さらにペア間の関係もあり、複雑な関係になっている。楽しい。3期まだかな~(気が早い)。
漫画『ファイアパンチ』
『チェンソーマン』の作者藤本タツキ先生の作品。ジェネリックチェンソーマンって感じ。どうしようもなくて、かなり好きな作品。トガタというキャラが好き。
なぜ生きるのか(薪・燃料)とどのように生きるのか(演技・役)の話。
薪という比喩が頻繁に用いられ、生きるための糧(食べ物や焚き木)と生きるための動機(目的・生きがい)が内包されている。
役と内面。役は呪いで、内面との軋轢が生じることで内面を犯す。しかしそもそも、自分が何者なのかはそもそも社会的に規定され(役)、内面は役から生まれる。役が先なのか、内面が先なのか……。内面と役の平衡状態。これが「建前と本音」にも擬えられる。演技が本音に取って代わる。本当の自分が分からなくなる。
ゲーム『ポケットモンスター スカーレット』
ついに発売されてしまったポケモン新作。マップが広すぎて生活が破壊された。コライドンがのしのし走るのが可愛くてスカーレットにした。御三家はいつも通り水タイプ(クワッス)。
ストーリー、ポケモンの質感や新ポケモンのデザインなどは満足度が高いが、カメラアングルや一部のUI(特にマップ)に関してはかなり酷い部分がある。あとエラー落ちが多め。今後のアップデートに期待。
パラドックスポケモンやら準伝やら、新ポケモンなど、語りたいことは山ほどあるので、別記事とかで書くかもしれない。
アニメ『チェンソーマン』5話~8話
お汁だくだくのコベニちゃん可愛かった。サムライソード、やっぱりデザインがかっこいい。幽霊の悪魔、無数の手でサムライソードに掴みかかる演出が良かった。蛇の悪魔が無音で出たり消えたりするのもすごく良かった。