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感想・備忘録・夏休みの自由研究

organizationは「organにされた物」

英語の単語に関して自分が思っていることをつらつら書いていこうと思う。

今回はorgan, organic, organize, organizationについて。

organ

「オルガン」「臓器、器官」「機関」などの用法がある。

語源を調べてみると、organという言葉はラテン語organaorganum「道具、楽器」の複数形)に由来しており、これは古代ギリシャ語の organon「道具、楽器、感覚器官、身体部位」に由来する、とある。(有名なフランシス・ベーコンの著作『ノウム・オルガヌム(Novum Organum)』(邦訳:『新機関』)は、アリストテレスの『オルガノン(Organon)』に対する名称である。)

道具とは、目的・用途・機能・役割を備えた物のことである。道具であるためには目的が必要である。目的を持たない物は道具ではない。

「臓器、器官」は、生物(人間)が活動するための何らかの機能を担う部分である。目は見るための物だし、胃は消化するための物だ。

「機関」は、ある働きをするための仕掛け・仕組みである。

「オルガン」は器官の比喩か、それとも何らかのイベントのための道具という意味合いか。そもそも「楽器」の用法は古代ギリシャorganonの時点で存在していたようで、楽器というのは音を鳴らして何らかの機能を果たす物である。「オルガン」の起源は紀元前264年にアレキサンドリアで発明された水圧オルガンにあり、ヨーロッパに持ち込まれたのは8世紀だそう。「オルガン」の用法はもともとあった「楽器」の意味が特殊化したものと考えられる。また、「道具」「楽器」の用法を持つものでは他にもinstrumentがある。

ともあれ、organという概念には目的という概念が不可欠であることは間違いなさそう。

 

organic

organに、形容詞を標識する接尾辞 -ic が付加されたもの。《organのような》ほどの意味。

有機の、生物の」「有機的な」などの用法がある。

そもそも「有機的」とは、"多くの部分が緊密な連関をもちながら全体を形作っているさま" である。organicがこのような意味を持つのは、器官・臓器間が連携し合ってひとつの生命を成り立たせていることからか。そこから「生物の」のような用法が現れたのだろう。

 

organize

organに、動詞を標識する接尾辞 -ize が付加されたもの。《organ化する》ほどの意味。

「組織する、編成する」「系統立てる」などの用法がある。

Longman Dictionary of Contemporary English Onlineでorganizeを引くと、第1用法にto make the necessary arrangements so that an activity can happen effectively(ある活動が効果的に起こるように必要な段取りをすること)とある。

organizeの「組織する、編成する」という訳には、人間にそれぞれ適切な役割を与え、集団全体で目的を達成できるようにデザインすることが含意されていると思われる。それは、体内の臓器にそれぞれ役割があり、ひとつの生命を成すのとちょうど同じである。「系統立てる」の用法は、そのような適切な役割分担――系統立っているという側面を切り取った用法だろう。

 

organization

organizeに、名詞を標識する接尾辞 -ation が付加されたもの。《organ化されたもの》《organ化すること》ほどの意味。

「組織」「組織化」の用法がある。

これはorganizeを下敷きにして理解しなければならない。「組織」「機構」という日本語に惑わされない方がよく、大雑把には「構成要素に適切な役割が与えられ、全体で目的を全うしようとする集団」というふうに理解できる。organizationが表すところの「組織」とは単なる集団(group)ではなく、そのような集団なのである。

 

参考